エピソードから考える!救急車の適正利用のためにナースができる3つのこと

全国の救急件数は年々増加しており、救急車の現場への平均到着時間は延長している傾向にあります。

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日本は誰でも無料で救急車を利用できる国です。(アメリカや中国は有料です)
そのせいか、軽症や自己都合による救急車の要請が後を絶ちません。

今回は、そんな”実際にあったビックリ救急要請エピソード“から”救急車の適正利用のために、ナースができること“について考えてみました。

 

実際にあった!ビックリ救急要請エピソード

1. 救急車はタクシー代わり!?

朝から足が痛いと訴える高齢女性が救急搬送されてきました。

痛くて身動きがとれず自家用車に乗れないということであれば、まあ仕方ないかなと思うのですが、なんと!その患者さんは歩いて救急車から降りてきたのです。

なぜ救急車を呼んだのか高齢女性の患者さんに尋ねると「自宅が遠方で、車を運転してくれる人がいない」という理由…

この高齢女性の患者さんのエピソード以外にも「腰が悪く寝たきりで、タクシーでは移動できないから」「救急車はタダだから」という理由で救急車を呼んだという事例もありました。

民間救急や介護タクシーという手段があるにも関わらず、自己都合により救急要請するケースは、実は非常に多いのです。

 

2. 一番に診てもらえるから救急車を呼んだ!?

風邪症状で救急車を呼んだ中年男性。

熱は微熱だし、歩行も可能。
この中年男性の患者さん、どう見ても元気そうでした。

トリアージナースが緊急性は低いと判断し、他の救急患者さんの対応を優先していると…

中年男性の患者さんは「救急車で来たのに、こんなに待たせるとは何事だ!一番に診てもらえるから救急車を呼んだのに!」と大声で怒鳴っているではないですか…

結局、この患者さんは救急患者がいつでも最優先なわけではなく、”症状によってはお待ちいただくことがある”と説明しても納得されず、診察を受けずに帰宅されました…

このように「救急車=早く診てもらえる」と勘違いしている困った患者さんもいるんです。

 

「それ…救急ですか?」- その他のエピソード

  • 今日は入院する日(または外来受診日)だった
  • 今日は日曜日で、近くの病院が休診だった
  • 自分で病院を探すのが面倒くさい
  • 虫(ダニ)に刺され、かゆいけど薬がなかった
  • 転んで膝を擦りむき、血が出てびっくりした などなど…

 

ちなみに、こんなエピソードもあります。

番外編「救急車がタダなら診察料もタダでしょ?」

腹痛で救急搬送された中年女性。

診察が終わり、点滴を受けて帰宅できることになったので、中年女性の患者さんを会計にご案内すると「救急車は無料なのに、なんで病院にきたらお金を払わなくてはいけないの?」と診察料の支払いを拒否!

この中年女性の患者さんには医事科が対応にあたり、最終的には中年女性の患者さんもしぶしぶ診察料を支払い帰宅されました。

救急車が無料なので、診察料も無料だと勘違いしていたのでしょうか…

 

助かるはずの命が救えない!?不適正な救急要請による影響

今回紹介した救急要請にまつわるビックリなエピソードは、ナースならひとつやふたつ知っているかもしれません。しかし、笑いごとでは済まされない話ですよね。

残念ながら、このような”軽症や自己都合による救急要請”は非常に増えています。

どんな要請内容だろうと、救急車はとりあえず現場に駆け付けなければなりません。

救急車が現場に駆け付け、そこで症状を確認し、自分で病院に行けそうという事であれば本人と相談し不搬送となる場合もあります。

しかし、そういった不適正な救急要請に応じていると、いざという時に、本当に必要な患者さんへの救急車の到着が遅れ、助かるはずの命が救えない事態になりかねません

 

救急車の適正利用のために ナースができる3つのこと

ただ、不適正な救急要請とされるケースの中にも、患者さんにとっては悪気がなく、必死な判断の結果であることもあります。

とはいえ、救急車は緊急搬送する必要がある患者さんのための限りある資源…

救急車の適正利用のために、私たちナースがまずできるのは次の3つだと考えています。

1. 持病に対するセルフケアについて指導しておくこと

普段からかかりつけの患者さんに、症状に対する対処法どういう症状が出たら迷わず救急車を呼ぶかなど、持病に対するセルフケアについて指導しておくとよいですね。

たとえば、糖尿病でインスリン注射を行っている患者さんに、低血糖時の症状や応急手当について本人と家族に説明しておくと、低血糖による気分不快であわてて救急車を呼ぶなんてことが防げます。

ただし、糖尿病でインスリン注射を行っている患者さんで、意識障害のある場合はすぐ救急車を呼ぶよう指導します。ブドウ糖の経口摂取ができないので自宅では低血糖を是正できません。

 

2.  もしもの時の対処法を一緒に考えること

ひとり暮らし、免許や自家用車がないなど、普段の生活はどうにかなるけれど、もしもの時に交通手段がないことを理由に救急車を呼んでしまうというケースは多いです

そういった場合の対処法について、患者さんや家族と事前に相談しておくのもよいでしょう。

対処法としては、

  • 家族の連絡先を把握しておく
  • 近所の方にお願いしておく
  • 介護タクシーのパンフレットを渡しておく
  • 介護保険の利用があればケアマネと相談しておく など

以上のような救急車に頼らず受診できる方法を提示しておきましょう。

日本民間救急グループ東京民間救急コールセンターでは、緊急性がない通院や受診、入退院や病院から病院への転院搬送などの際に、民間救急サービス事業者や福祉タクシー事業者などを、24時間無休で案内してくれます。

 

3. 救急相談窓口の利用を呼びかけておくこと

消防庁や市町村には救急相談窓口が設置されており、24時間いつでも消防職員やナースによる救急相談が受けられるので、こういった窓口の利用も呼びかけるといいでしょう。

各都道府県に、それぞれ救急相談窓口があります。実施時間帯は各機関によって異なりますので、あらかじめ調べておきましょう。

救急相談窓口は東京都ですと、救急車を呼ぶか迷ったときには、東京消防庁 救急相談センターで24時間年中無休で、相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が対応しています。
子どもの場合は、小児救急電話相談に電話すれば、お住まいの都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からお子さんの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院等のアドバイスも受けられます。

また、最近はトリアージナースを中心に救急相談に応じる病院も増えています。

患者さんの症状に対し、今すぐ病院を受診するべきか、救急車を呼ぶべきか、応急処置の方法などについてナースが相談に応じることで、患者さんの不安の軽減と救急車の適正利用に貢献します。

 

おわりに

救急車を自己都合で要請する困った患者さんについては、むやみに邪見にするのではなく、救急車を呼ばなくても対応できる手段を提示し、もしものときに患者さんが慌てないよう配慮することが大切だと思います。

救急車が本当に必要な人のところへ1秒でも早く駆け付けられるよう、私達にも出来ることはきっとたくさんありますよ!

 

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