名無しさん (?) からのお悩み
今大学4年生で、大学病院の内定も決まり卒業を控えている者です。
就職活動時は、自分がやりたい看護の目標がはっきりしていた反面、病院を決める時はかなり迷って、期間が迫ったゆえに流れに任せてしまった形で決断しました。
そして現在、就職活動時に明確だった自分の目標もぶれてしまい、なんとなく「違う」という気持ちが出てきました。
また、配属先がNICUと想定外の所で、この中途半端な気持ちのままで、特に緊急を要するNICUに自分の身を置いていいのか不安になってきました。
私は緊急の場にはあまり向かないし、じっくり向き合うタイプだと思います。
看護師になりたい一心で実習や就職活動の時は勉強意欲もあったのですが、最近はそれもよく分からなくなってきました。
看護への考えがぶれている時に、自分がそのような場で働いていけるのか心配です。
途中で辞めてしまうのも迷惑だし、もし辞退するのなら今のうちにとの思いもありますが、今の時期に辞退してもやはり迷惑がかかるし、後に引けない状況でどうしたらいいのか分からなくなっています。
自分でも甘いとは思いますが、とても悩んでいます。早くこの迷いを解決したいです。
このまま入職の日が迫ってくることに焦っています。
悩むことではないのかもしれませんが、誰に相談したら良いか分からず精神的にも追い込まれています。
こんな私にアドバイスよろしくお願いします。
椿(ツバキ)からの回答
まずは、自分をしっかりと見つめ直してみませんか
名無しさん、こんにちは。椿です。
お返事が遅れまして申し訳ありません。
名無しさんのお悩みを拝見しました。
『看護師になりたい一心』で実習も就職活動も頑張ってきたけれど、病院を決める時点で迷いが出てしまい、結果、流れに任せた選択をしてしまったのですね。
もう悩みが解消されているのであれば、読んでいただかなくても良いかもしれません。
でも、もし、まだ気持ち的に迷っているようでしたら、読み進めてください。多少厳しい発言もしますが、名無しさんのこれからの人生に、少しでも参考になればと思います。
「看護師になりたい一心」の原動力は何だったのか
名無しさんは、その後どうされているのでしょうか。
NICUで働いていますか?それとも自分の気持ちに従って、就職を断ってしまいましたか?
もし、名無しさんの悩みが解消されないままでしたら、NICUで働くのは辛いことでしょう。病院側も、そのような気持ちでいる名無しさんへの対応に困っているのではないかと推測します。
椿なりに、お悩みの内容を整理してみたのですが…
そもそも、大学4年で就職活動を始めた時点では、まだ『自分がやりたい目標がはっきりしていた』わけですよね。
しかし、内定をもらう時期になって、『なかなか決断ができず、迷いが生じた』ということなのでしょうか。
そんな状況にも関わらず、『期限が迫っていたから』という理由で、流れに任せて決断してしまった。
その結果、自分が就職したいとは思えない、NICUへの配属が決まり、そのことで『看護師そのものへの意欲がなくなってしまった』ということなのだと思います。
椿的には、ここに少し矛盾を感じています。
このような現実を、名無しさんはどのように考えていますか。
結局、名無しさんの『看護師になりたい一心』の原動力は何だったのでしょうか。相談いただいた内容からは、そこが読み取れないかなと思います。
NICUで働くということ
大学病院のNICUには、かなり遠方の地域からも、普通の産科病棟では対応しきれない『重症な赤ちゃん』が入院してきますよね。
そんな患者さん(新生児)やご家族に対して、名無しさんは真摯に対応することができているのでしょうか?
新人だろうとベテランだろうと、白衣を着て患者さんのお世話をしていれば、家族からみれば、同じ看護師なんです。
『看護師としてこの部署で働きたいかどうか』は、関係ありません。
患者さんの親は、自分たちだけではどうすることもできない大事な赤ちゃんを、『本当はこんなところで働きたくない』と考えている看護師には預けたくないですよね。
すでに、名無しさんが就職を辞退せず、悩んだままNICUに勤務しているのであれば、それはよろしくないなと思います。
もし「NICU」で働いているなら
名無しさんがそのままNICUで働いているのであれば、椿のアドバイスは1つ。
少なくても2~3年は『自分のやりたいこと』には目をつぶり、NICUでの職務を全うしてみる、です。
まだ名無しさんは22歳くらいでしょうから、2~3年働いた後からでも『本当に自分がやりたいこと』に挑戦する道はいくらでもあるはず。
それに、そもそも就職を決める段階で『本当に自分がやりたいことを見つけられてなかった』そして、『考えがぶれてしまった』ことは、自分自身の将来に対する考えの甘さが招いた結果だったと受け止めることも必要です。
たしかに、今回の配属は、自分の希望では無かったかもしれませんが、2~3年って長い看護師人生でみれば、ほんの数年間のことですよ。
それに、その間何も勉強できないわけではありません。NICUではNICUなりに、学ぶことがたくさんあると思います。
こういう経験って、今後いつどんな時に役立つのか分かりません。『他の人とは違う経験ができる』というふうに、前向きに捉えてみませんか?
また、NICUの中には匿名さんのように『希望していなかったのに配属された看護師も』いるでしょう。他の病棟にもいるでしょうし、例えば手術室なんて「絶対イヤ」と思っている看護師も意外と多いと思います。
でも、看護師には『異動』がありますよね。
不本意な勤務場所に配属されたとしても、2~3年経てばまた異動することもできるわけです。
もし「NICU」で働かずに、大学病院への就職もしていないのなら
相談の中に『早くこの迷いを解決したいです』とありますが、内定を辞退したことで、その迷いは解決しましたか?
仮に解決したとして、私は名無しさんに
『就職直前に浮かび上がった“迷い”は自分が招いたものであり、病院や大学にも迷惑をかけたことを、自分自身の“黒い歴史”として、心に刻んでおいてほしい』
と思います。
あなたが内定をもらったことで『本当にその病院に入職したかった人』が落とされてしまった可能性ってありますよね。
もしかしたら、今後その病院に就職を希望するかもしれない、あなたの大学の後輩たちにも迷惑をかけてしまう可能性もあります。
こういったことも自分の心に刻みながら、その上で『本当に自分がやりたいこと』を目指し、一心に努力してください。
『就職直前で本当にやりたいことを見つけたので辞退しました。でも上手くいきませんでした』という人生は歩んでほしくない、と私は考えます。
『自分のやりたいことを見つけること』は、簡単なことではありません。
就職してから何年経っても、未だに「やりたいことが見つからない」という人もいるでしょう。
そんな中で、もし名無しさんが『自分のやりたいこと』を見つけられていたとしたら、それは、素晴らしいことですよね。
だからこそ、今後は中途半端な人生にならないよう、自分をしっかり見つめ直して、一歩ずつ確実に歩んでほしいと思います。