さとさん (?) からのお悩み
勤務時間が過ぎてしまいそうな時に入居者様の体調が急に悪くなっても、まず事前報告をして指示された通りにするように、と言われました。
その時に残らずに帰って下さいと言われたらその通りにするようにとのこと。
「急変の恐れがあってもですか」と質問すると、
「企業では事前報告は当たり前でしょ」との返答。
看護師の直属の上司(ケアマネや介護士)がそう判断したらそれで良いとのことでした。
長く勤めている看護師と直属の上司は仲が良く、先日も入居者様の対応をしていたところへ来て「事前報告と上司の指示が無ければ残業は認めない」と言ってきました。
それを言われてからも、時間外でも入居者様状態を観察してから帰宅しますが、施設の看護師って、そこまで上司の指示に従わなければいけないんですか?
それじゃあ、看護師ではないと私は思うのですが…
他にも納得がいかないことがあり、続けていくことが嫌になっています。
でも過去に色々と事情があり退職の繰り返しだったため、新たに就職は難しいのでは、と思う気持ちがあります。
これからも看護をやっていくのか、他の仕事を探した方が良いのか迷っています。
椿(ツバキ)からの回答
まずは今の仕事のやり方をどう思うのか、どうすべきなのか考えてみませんか。
お悩みを抱えている中、回答が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
さとさんのお悩みを拝見しました。少し厳しい言葉もあるかな?と思いますが、ご容赦ください。
まずは、お悩みを整理してみましょう
はじめに、今回のさとさんからのお悩みの内容を椿なりに少し整理します。
- さとさんの職場は介護施設で、経営母体はおそらく企業
- 上司から『事前報告による、上司からの指示が無ければ残業は認めない』というスタンスを突き付けられている
- そのスタンスは、あくまで”仕事”と割り切ったもので、”入居者の容態の変化”は考えられていない
- そして、さとさんは職場のこのやり方に納得がいかず、仕事を辞めたいと考えている
- しかし、過去に色々な事情で退職を繰り返たため、新たに就職は難しいのではないかと思っている
- これからも看護をやっていくのか、他の仕事を探した方が良いのか迷っている
というように、送っていただいたお悩みからさとさんの状況を推測しましたが、こんな状況で合っていますか?これを仮説として回答を進めていきますね。
悩みの根本は、『病院勤務とは異なる介護施設での仕事』にある
お悩みを拝見する限り、今の職場は”患者さんのことを第一に考えて残業をしてきた病院勤務時代”とは大きく異なりますよね。
さとさんは恐らく、病院で経験してきた”残業の習慣”が抜けていないので、”事前報告&上司の指示”というスタイルに慣れないのではないでしょうか。
”入居者の容態の急変”という問題が目の前にある状況にもかかわらず、それよりも”事前報告&上司の指示”が優先というやり方が浸透してしまっていることは、第三者から見ても「問題なんじゃ?」と捉えることもできます。
本当にそうなのかは、見ていないので判断できませんが、それが”企業体質”というものなのでしょう…
でも、さとさんは”看護師”として『何よりも、目の前の人の容態急変対応』という、急変対応の重要性を優先したい。
とは言え、この職場に勤務している以上は、この先もずっと『事前報告&上司の指示というスタイル』や『従わなければいけない』状態が続くことも分かっている。
その上で、自身の今後について悩まれているんだと思います。
さとさんが、今の職場のスタイルをどう思うのか、自分はどうしていけばいいのかと考えたときに辿りついた答えが、恐らくこの問題の解決策になるのではないでしょうか。
椿からのアドバイスは、3つ
今回、椿からのアドバイスは次の3つです。
- 「そんなのおかしい」と思うのなら、徹底的に戦う
- 「今の状況をありのまま受け入れる」というスタンスでやっていく
- 「やってられない」と思うのなら、思い切って転職
です。ひとつずつ順に説明していきますね。
1. 「そんなのおかしい」と思うのなら、徹底的に戦う
さとさんが、今いる職場の環境や仕事内容や入居者さんが好きで、戦ってでも「おかしい」と思う今の職場のスタイルを変えていきたいのならば、徹底的に戦ってみるのも、1つの手だと思います。
きっと、さとさんと同じような思いを抱えながら仕事をしている仲間も、少なからずいるのではないでしょうか。そういう仲間を見つけ出し、スクラムを組んで戦ってみてもいいと思いますよ。
しかし、現在は介護業界に身を置いているさとさんならご存知かと思いますが、介護業界の主役は介護士やケアマネ。
病院では中心となってきた我々看護師も、この業界では介護士たちのサポートに徹する、脇役的な存在となってしまうのです。
結局のところ、介護士が多勢である介護施設の中で、さとさんの味方をしてくれる看護師仲間や上司は少ないと思います。
2.「今の状況をありのまま受け入れる」というスタンスでやっていく
“郷に入っては郷に従え”という日本のことわざのように、そこの企業理念であるのだから…と目をつぶってやっていくというのも選択肢の1つにはなると思います。
今のご時世、介護業界の需要は高まっているため、たくさんの施設が次々とオープンしていますが、施設の特徴は実にさまざまです。
さとさんの働いている職場のように”企業理念の強い経営者が運営している施設”、”病院が母体となって経営している施設”、”経営も介護の知識も何もない親族経営でやっているような施設”、”医療者が独立して経営をしている施設”など。
もし同じ介護業界で転職を試みる場合、知らず知らずのうち、今の職場と同じような特徴ある施設を選んでしまうと、また同じような状況になる可能性もあります。
それならば、少しでも慣れている今の職場でこのまま働いていくというのも選択肢としてはあります。
3.「やってられない」と思うのなら、思い切って転職
「今の状況に対して不満がある、やってられないよ!」と思うのであれば、いっそのことキレイさっぱり、転職をしてしまうという方法もあります。
今の世の中、看護師という職業はまだまだ引く手あまたの職業です。
経歴が浅かろうが、転職歴が多かろうが、看護師の資格を持っていて一度でも臨床で働いていた経験があれば、転職先は見つかると思います。
むしろ、面接などで今の職場で感じたことなどを話せば、さとさんの責任感の強さや人を思う心が、看護師としてのアピールポイントとなるのではないでしょうか。
もちろん、伝え方によっては”批判”として捉えられる可能性もあるので、そこは注意が必要ですけどね。
さとさんの精神的な負担を考慮すると、『さっさと転職』という選択は十分ありだと思いますよ。
椿からのアドバイスは以上です。
個人的には、今のさとさんには、『思い切って転職』をやはりオススメするかな。
さとさんは、『過去色々と事情 があり退職の繰り返しだったため就職は難しいのではと思う』『これからも看護をやっていくのか、他の仕事を探した方が良いのか迷っています』とも悩んでいますよね。
過去の詳しい事情は分かりませんが、今まで退職を繰り返してきたとしても、看護師の仕事って他の仕事に比べると転職先を見つけやすいと思いますよ。
どの選択肢を選んでも、さとさんが看護師として生き生きと働いていければ、椿も嬉しいです。応援してますよ!