はらきさん (?) からのお悩み

私は3年目の看護師です。
2年間地元の病院で働いた後、スキルアップのため上京したのですが、ストレスで体調を崩してしまい、1か月ほどで退職しました。
来月から新しい病院で働く予定です。
半年くらい仕事をしていないので仕事についていけるか、3年目なのにレベル低いと思われないかなど色々と不安です。
看護師という職業も患者さんも大好きなのですが、自信がなくなっています。そして、また退職してしまうのではないかも心配です。
同期たちはリーダーも始めているのに、取り残されているみたいで辛いです。
こんな私にアドバイスよろしくお願いします。
椿(ツバキ)からの回答
自分自身の状況を受け止め、前を向く努力をしてみませんか

はらきさん、こんにちは。椿です。
お返事が遅れまして申し訳ありません。
はらきさんの今の状況は、
スキルアップのために上京したのに、ストレスで体調を崩して1ヵ月で退職。
その後半年ほど休養して、来月から新しいお仕事を始める…
ということでよろしいでしょうか。
転職に対して不安もあるようですが、椿としては「新しい職場で働いてみては」と思います。
ただし、はらきさんのお悩みの内容から、前職を1か月で辞めてしまったことがまだ気になっているのかなと感じています。
これから働くにあたっては、この”当時の思い”の部分は乗り越えておく必要がありますよね。
今回は、まずそこから整理していきましょう。
想定外の退職 → 半年の休養 → 自信を無くし復職前に不安…
はらきさんは、『スキルアップのための上京をした』とのことなので、上京する以前に働いていた職場では、自分なりに仕事を順調に覚えることができ、きっと仕事に対しても自信があったのだと思います。
もっとスキルアップできる!と期待して上京したのに、1か月で退職することになったことは、はらきさんにとって想定外の出来事だったのではないでしょうか。
ストレスについては具体的な内容が書かれていないので、詳細は分かりませんが、たった1か月とはいえ、そこまで自信をなくしてしまうほどの大きなストレスを感じてしまったのでしょう。
その結果、体調を崩してしまい、半年の休養が必要となってしまった…
過去のこととはいえ、はらきさんのお悩みを拝見すると、半年間休養し転職が決まった現在でも、まだ不安や心配は残っていて、自信をなくしてしまっていることが伝わってきます。
椿の経験上、こういった過去の不安や心配から立ち直り、以前のように自信を持って働けるようになるために必要となるのは『前を向くための気の持ちかた』次第だと思うんです。
この『前を向くための気の持ちかた』について、椿の経験を交えて少しお話ししますね。
1. 不安な気持ちは溜めこまない
体調に影響するほどの“モヤモヤ”があるのであれば、自分の中に溜めるのではなく、早めに外に出すことが大事です。
モヤモヤを外に出す方法はいろいろありますが、ここでは2つ紹介しておきますね。
(1) 人に話を聞いてもらう
はらきさんは、これまで周囲の信頼できる人に、自分の不安な気持ちを話したことはありますか。
自分の気持ちを整理するために、誰かに自分の不安を話し、それを聞いてもらうという方法があります。
このとき聞いてもらう相手は、同僚、先輩、教員、他の職業の友だちでもいいですし、プロのカウンセラーを頼っても良いです。
※今回、このお悩み相談に投稿されたことで、はらきさんの“モヤモヤ”が少しでも和らいでいると良いのですが…
(2) ノートに書きだす
自分の気持ちを具体的にノートに書き出してみる、など気持ちを整理するための方法はあります。
自分にとって、気持ちを整理できる方法は何なのか、いろいろ試してみると良いかもしれません。
2. 以前と同じ働きができなくても自分を責めない
現場では即戦力を求められるかもしれません。はらきさんは新人ではなく、卒後年数としては3年目ですからね。
そんな状況の中、今のはらきさんにできることは、
自分への要求には真摯に応えつつ、もし以前と同じ働きができなくても「感覚を取り戻すまでに時間がかかるものだ」とある程度は開き直って、自分を責めないこと、です。
自分の気持ちを少しでもコントロールできるようになると、仕事も自然と身についてくると思いますよ。
「半年くらい仕事をしていないので仕事についていけるか」という不安な気持ちは、あって当然。ブランクがある人であれば尚更です。
実際、椿自身も“10年間”という看護師ブランク後の復職は、ものすごーく大きな不安がありました。復職の前日なんて、何も手に付かなかったくらいです。
しかし、そこは気の持ちよう!
復職後からの数カ月は、「以前の感覚を取り戻すまでには、ある程度の時間がかかって当然」という心構えをしているだけでも、感じるストレスが全く違いますよ。
3. 自分と周りを比べて考えない
それからもう一つ。
『同期たちはリーダーも始めているのに、取り残されているみたいで辛いです』とあるように、同期がすでに”リーダー”をやっているのに、「自分は何をしているのだろう」と考えてしまう気持ちも分かります。
でもそれは、ある意味比べても仕方のないことと割り切りましょう。
はらきさんは卒後3年目の看護師ですが、半年の休養をしていたのですから、実務経験は今のところ”2年”なのかもしれません。
どこの病院でも、卒後2年目でリーダーになることって、少ないのではないでしょうか。
自分はまだ2年目と考えれば、少しは不安も和らぎませんか。
成長のスピードって、人によって違います。
『周りがみんなそうだから』という基準で考えるのではなく、『自分自身がどこまで成長できているか』を客観的に考えてみることが大切なのです。
自分は『取り残された』のではなく、『少し遠回りをしただけ』と考えてみると良いかもしれませんね。
最後に、「まず前向きに働くために」椿からの2つのアドバイス
何度も言いますが、椿としては「まずは前向きに働いてみては」と思います。
今のはらきさんに必要なのは、『自分の現実をきちんと受け止め、これからどうするか』を考えることです。
そして、もしこの先、看護師として働き続けたいと少しでも思うなら、自分なりに『前を向く努力』をしてほしいと思います。
もちろん、働くことへの不安もあるとは思いますので、椿からは「仕事を始めてからのアドバイス」を2つ、お話しておきますね。
- 何とか「前を向く」ことができるなら、しばらくその病院で働いてみる
- もし体調を崩すようなら、“病院”にこだわらず他の職場を探してみる
1. 何とか「前を向く」ことができるなら、しばらくその病院で働いてみる
今後も看護師を続けていきたいと思うのであれば、
まずは
『看護師としてどのような仕事をしたいのか』
『看護師としてどう患者さんと向き合いたいのか』
しっかり考えることが大事です。
その上で、
- 今の病院が、自分の考えに合っているかどうかをなるべく早いうちに見極める
- 「自分に合っていない」と感じるなら、再び体調を崩す可能性があるので、次の転職を考える
- ただしその場合、次の転職先を探すためのハードルは、多少高くなることを自覚する
- それでも看護師を続けたいのならば、ここは飛び超えるべきハードルだと理解する
これら4つを意識しながら、しばらくその病院で働いてみるのはいかがでしょうか。
2. もし体調を崩すようなら、“病院”にこだわらずに他の職場を探してみる
仕事を始めてみて、もし体調を崩すようならば、病院以外の自分に合った職場を探してみるのも良いでしょう。
選択肢としては、例えば、日勤だけのクリニックとか(これはこれで別の大変さがありますが)、高齢者の方たちが好きなら介護系の施設で働くとか。
病院勤務だけが看護師の職場ではありませんからね。
以上が、椿からのアドバイスです。
もしかすると『転職後に1か月で辞めてしまったこと』は、はらきさんの人生初の挫折だったのかもしれません。
でも、長い人生1度くらいのつまずき、いくらでも挽回のチャンスがあります。
少し厳しい言い方ですが、ここで『前を向くこと』を諦めてしまったら、この先、看護師として成長するのは難しいかもしれません。
自分自身の状況をしっかりと受け止め、再び前を向くことができたら、はらきさんは看護師として、あるいは人間として、大きく成長できるのではないでしょうか。
今からでも、しっかりと前を向いて歩ける人生を考えてみてほしいなと、椿は思います。