ぴろりんさん (女性) からのお悩み
はじめまして。数回目の転職活動になります。今回で最後の転職にしたく、悩みに悩んで活動していました。
結婚するにあたり、仕事と家庭を両立できる日勤で、将来子育てしながらも働ける環境を探していました。今回縁があり、小さなクリニックに内定頂きました。外来健診兼務で、往診も少しあるところです。外来人数も少なめなので、一人体制です。いままで病棟で忙しかったなら、すこし暇に感じるくらいかも、とのこと。
別エリアですが他に系列のクリニックもあり、産休育休取得の実績もあるようで、穏やかに働けそうだと思い、入職したい気持ちが高まってきました。ところが、わたしは性格柄、心配性で、自信があまりありません。
いままでもっと自信をもっていいんだよ、と言われたこともあります。以前の病棟では、不安なことがあれば先輩に相談してきました。
採血点滴などの技術もそれなりではあるけど、完璧ではないし、取りにくい場合は先輩に頼ることもありました。いままでの環境に甘んじてきたことを反省しています。
クリニックの一人体制では、すべて自分判断です。もしも判断に悩むような出来事に遭遇したらどうしたら良いのでしょう。
わたしのような優柔不断で不安ばかりの性格では、やっぱり一人体制のクリニックはやめておいたほうが良いのでしょうか。
椿(ツバキ)からの回答
自信のないこと、怖いことを明確にして、一つひとつ解消していきましょう
こんにちは椿です。
ぴろりんさん、お悩み相談ありがとうございます!
また、回答が遅れてしまい、大変申し訳ありません。
まずはお悩みを整理していきましょう
ぴろりんさんは、これまでにも数回の転職を経験され、今回はご結婚、そしてそれに伴う今後のライフスタイルを考えて、「なるべく長く働けるところで働きたい」という思いをお持ちなのですね。
そして、日勤常勤で働け、なおかつ、産休育休にも対応してくれるという、ぴろりんさんのこれからのライフワークスタイルにぴったりの職場であるクリニックを見つけられたと、考えてよろしいですね。
しかし、そのクリニックは看護師一人体制であるため、ぴろりんさんご自身の今まで培ってきた看護師としての知識や技術では不安がある、という感じで椿は解釈させて頂いていますが、よろしいでしょうか。
今回は、この解釈で考えてみたいと思います。
「自信がない」ことは、恥じることではない
お悩みを拝見する限り、今までの職場でも「もっと自信をもっていいんだ」と同僚たちから言葉をかけられていたようですよね。
結論からいえば、この一言を同じ看護師目線で頂けているということは、ぴろりんさんの知識・技術が、明らかに不足しているというわけでは無い、ということかと思います。例えば、ぴろりんさんが言葉をかける立場ならどうでしょう?
明らかに、知識技術が不足している看護師に、「自信をもっていいんだよ」なんて言えます?椿ならお世辞でもそのようなことは言えません(笑)
また、「いままでの環境に甘んじてきた」と、それまでのご自身の仕事ぶりに反省の念を抱いているようですが、その原因は、ぴろりんさん自身だけではなく、周囲の環境にもあったのではないかなと思います。
きっと今までの環境では、先輩や同僚の方がぴろりんさんに対して、何かあったらすぐに助け舟を出してくれている環境だったのではないでしょうか。
実際に見ていないので、これはあくまで椿の推測なのですが、「崖から子どもを落とすライオン」の話ってありますよね?
つまり、本当の意味で相手に成長してほしいなら、もう少し、周囲はぴろりんさんを突き放すような指導をすべきだった、という部分もあるのではないかなと思います。
そうすることで、嫌でも「自分一人でやらなければならない」という状態になり、それを達成しておくことで、ぴろりんさんの自信が少しづつ大きくなるはずだったのではないかなと椿は感じます。
結果的に、ぴろりんさんが色々なことに「自信」を持てなくなった理由は、こういうところにもあったと思います。それ自体は、ぴろりんさんが恥じることでは無い、と思いますよ。
「自信がない」という今の自分に、決別するチャンスでは?
まあ、過去のことをとやかくいっていても前に進めないのですが、椿が今一番いいたいことは、「そんな自信のない自分とさよならしませんか?」ということです。自分の性格を変えられるのは、自分自身だけなんですよ。
今こそ、自信のない自分とさよならして、もっと前を向いて良いときなのではないかと思います。ぴろりんさんはその「前を向くための素質」を十分持っているように椿は感じます。
そのためには、どこかで「自信のない自分」に、さよならすることが必要だと思うのです。
今が、その時なのではないでしょうか?
今回の椿のアドバイスは、たった1つ
他のお悩みにはいくつかのアドバイスをしている椿ですが、ぴろりんさんにはこの1つが本当にぴったりだと思ったので、今回のアドバイスは1つだけ。
クリニックでの看護師一人体制での働き方を考えよう、ということです。
基本的に、クリニックでの看護師一人体制とは「すべて自分の判断」になるわけではありません。ここが、ぴろりんさんの考え方を改めて頂きたいところです。
そのために、どうすればいいのか
- わからないことや不安なことがあれば、医師に聞こう
クリニックに来る患者さんが求めることは、看護師さんのご意見ではなく、医師による診察が基本ですよね?もちろん、そこに「看護師による生活指導」が必要なことも多々ありますが、それはあくまでも「医師の診察」に付随することだと思うのです。
実際に、病棟では患者さんから「看護師さんどう思う?」なんて、本来では医者が答えるようなことでも看護師に聞き、その答えを求められることもあります。
しかし、多くのクリニックでは、医師=経営者であり、医療サービスを提供するという「商い」なのです。クリニックで看護師が答えたことは全て、医師の責任となり、クリニックの経営に関わってきます。
従って、ぴろりんさんが答えられないことには、医師が答えるのが当たり前。看護師であるぴろりんさんは、聞かれてわからないことや不安なことがあれば、医師に聞けばいいんです。
むしろ医師のコトバと違うことを伝えてしまったら、クリニックの信用問題にもつながりかねません。
まずはそこをしっかりと理解し、医師の治療方針などを、しっかりと把握しておくことが一番、大切なことですよね。
ものすごく簡単にいえば「患者さんに適当なことは伝えない、適切なことを伝える」ということです。
適当と適切、よく似たコトバですし、混合して使われがちですが、「適当」には「いいかげんな」という意味もあります。一方の「適切」は、「状況・目的などにぴったり当てはまること」です。
患者さんにとって有益なことはどちらなのか、ぴろりんさんなら分かりますよね。
- 先輩看護師との引継ぎができるようなマニュアルを作ろう
ただし、「この注射器はどこにしまうのか」とか「診察開始前の準備は何をするか」など、看護師のマニュアルで回避できそうな問題は、勤務を始めたときに、先輩看護師にしつこいくらい聞いて、ノートにまとめておきましょう。
今後1人で働いていくうえで不安がことは、先輩看護師との引継ぎができる間にマニュアルくらい作ってしまいましょう。
事務的なことならば、クリニックのクラークさんたちはベテランが多く、クリニックのすべてを把握している方もいるかもしれませんから、そこに頼ってみてもいいのではないですか?
ただし、患者さんへの対応とか、どうしても採血が出来ないときとか、そういう「マニュアルだけでは対応しきれないこと」は、すぐに医師に相談するのも、悪いことではないと思い
ます。
自分自身の経験上で不安に思う部分があること、大きなミスにつながることを回避するために医師との情報共有が重要であると考えていること、これらのことを医師に伝え、お互いにどう動くべきかを十分に相談しておきましょう。
ここで突っぱねるような医師は、おそらくいないと思います。
- まとめ
こうやって自信のないこと、怖いことを少しでも減らしておくことで、1人体制でもしっかりと働くことができるのではないでしょうか。
1人体制で働けていることが、やがてぴろりんさんの自信にもつながると思います。
初めての環境、不安なことも多々あるのは承知の上で、それでも「ぴろりんさんならばできる」と椿は思いますよ。陰ながら、応援しています。