あさみさん (女性) からのお悩み
私は、准看護師12年目、初の外来クリニック5年目で主任をしています。
昨年、院長は奥さまを亡くし、心身ともに疲れ、やる気のない様子です。
奥さまが存命でしたら、ただの看護師で終わっていたと思いますが、そんな状況もあり主任になりました。
院長は精神的な気持ちの波があり、患者さんにも当たることもあります。奥さまを亡くされたばかりで、余裕がないのはわかるのですが、そのフォローは全て看護師がすることになります。
そして、主任だからと同僚(全員年上)に、はっきり話をするようにと言われ、みんな仲良くしたいと思いながら、自分が上手くまとめられていないこと、気持ちに波のある院長に振り回されてしまい、何もできない歯がゆさで困っています。そんな自分の不甲斐なさにストレスを感じています。
事務にも主任がいますが相談すらできません。事務は忙しいから看護師さんがやってよね?という態度です。
みんな平等にとの方針なので、きつくも言えません。私の性格的にかなり我慢をしていて、体の調子も悪くなっています。
今までは奥さまがみんなの相談役であり、話しをすることでストレスも解消できていました。しかし、今は少ない人数なのにまとめられない、まとまらない、報告・連絡・相談ができないのが苦痛です。
院長は、私任せなので本当に困っています。
これからどうすべきでしょうか?今の世の中だからこそ、メンタルヘルスマネジメントの資格も取りましたが、セクハラ、パワハラがわからない院長なので、すごく悩んでいます。
椿(ツバキ)からの回答
看護師同士の風通しを良くすることに集中し、クリニックが回るようにすること
あさみさん、こんにちは。椿です。
お悩みを抱えている中、回答が遅れてしまって申し訳ありません。今回は、少し毒舌気味になることをお許しください。
まずはお悩みの内容を整理しますね
あさみさんは、クリニックで5年勤めていて、去年、クリニックの院長の奥さまが亡くなったのですね?そのため院長は、精神的に波があり、診療にも影響を及ぼすようになっている。(その院長の心中はお察ししますが、職業上、そういった態度で患者さんを診るのはいかがなものかと、椿個人は思いますが…)
あさみさんは、患者さんにまであたってしまう院長をフォローしたり、ほかの看護師をまとめようと奮闘しているが、その役割もうまくいかない。
メンタルヘルスの勉強をして資格を取ったりしているけれど、今の職場では活用できていない様子。
肝心の院長にも頼れない。事務の主任とも連携を取りたいが難しかった。
そんな状況の中、自分はどうすればいいのか悩んでいるといった感じでしょうか?
これからも働く意思があれば、腹を決めましょう
あさみさんは、「奥さまが存命でしたら、ただの看護師で終わっていたと思いますが、そんな状況もあり主任になりました」とあるので、まずは主任として院内を盛り立ていく気持ちがあるのだと推測されます。
そうであれば、今はある種のわりきりが必要な時です。
奥さまが亡くなるまでの院長がどのような人物だったかは分かりませんが、奥さまがいたときはきちんと機能していたのならば、ある程度時間が過ぎれば、院長のやる気が戻ってくる可能性があると考えて、フォローするしかないでしょう。
恐らく、奥さまは「クリニックの実務とは違うけど、クリニックの運用上は必要なこと」をなさる役割を担っていたのではないかと推測します。あさみさんが奥さまの役割を丸々担う必要はありません。
ただし、あさみさんが、このクリニックで働く意思があるのなら、主任として先頭をきって、今のクリニックの雰囲気を立て直す覚悟を決めること。これがスタートラインです。
目の前のやるべきことに集中する
それでは、あさみさんが主任としてやるべきことを考えてみましょう。
ずばり「報告・連絡・相談」をうまくやり取りできるように、看護師同士の風通しをよくして、クリニックが回るようにすること。これが一番の仕事ではないでしょうか?
その上で、あさみさんがどう動けばいいのか、今、クリニックに必要なことは何かを考えて、看護師同士で、うまく院長のフォローができるように働きかけていくのが、筋なのだと思います。少し荷は重いですけどね。
でも、主任のあさみさんが、院長の感情の波に振り回されていては、周りも同じように振り回されてしまいます。
もし、他の看護師も院長の感情の波のせいで不満があるとしたら、そこはあさみさんが整理して、他の看護師の仕事への士気が下がらないようにフォローすることが必要かもしれません。
さらに、同僚たちに腹を割って話すことで、解消できることも、まだまだたくさんありそうな気がします。
平等という言葉にとらわれすぎないで
医師も看護師も事務職も、人間としては平等です。しかし、”みんな平等”をクリニックの方針に掲げているからといって、言いたいことも言えずに仲良しごっこを目指していては、仕事は上手く回りません。
お互いに協力し、患者さんのために最善を尽くすことが、本来の姿なのだと思います。
そうはいっても、チグハグな現状ですから、クリニックとしては何を目指していくのか?そこのすり合わせを、院長とあさみさんと、事務主任との間で、改めて時間を取り、静かな落ち着いた場所で話し合って、今後のクリニックの方向性を考えてもいいのかもしれません。
こういった根本的な部分が解決できないと、あさみさんは、このクリニックで働き続けることは苦しくなるでしょう。
あさみさんはいろいろ我慢して飲み込んでしまう性格のようですから、それではあさみさん自身も辛いし、周りにもいい影響を与えませんね。
人任せの院長なら、いっそ、あさみさんの考える良い職場環境に整えていってもよいのではないでしょうか。
椿からのアドバイスは1つです
椿のアドバイスとしては、あさみさんの性格的に我慢する癖が、今の職場に影響を与えているのなら、いい機会だから克服してみては?ということです。
我慢しているということは、おそらく不満なことがあるのですよね。
その不満な部分を伝えて、相手に受け入れられない可能性もあるだろうけれど、とりあえず言葉にしてみませんか。
小さなことでも、少しずつ周囲に自分の気持ちを話すことで、相手の考えていることも引き出すことができますし、何よりあさみさん自身もスッキリするでしょう。
お悩みの文面から、あさみさんは真面目な人と推察します。
だからこそ、自分の役割を客観的に見直して、やるべきことはやる。自分の仕事の範疇でない部分は、しっかり言葉で伝えて相手に行わせることも必要なのではないでしょうか。
最初は勇気がいることかもしれませんが、はじめの一歩を踏み出せば、かなり生きやすくなりますし、仕事もやりやすくなりますよ。
まとめ
あさみさんの性格的に我慢する癖を見直すこと。ちょっとずつでもいいので話しをしていくことで、周りも巻き込んでいきましょう。
やるべきことを淡々とこなし、院長の感情の波は、あさみさんの責任ではなく、院長自身の問題です。院長自身が乗り越える問題であることを、認識させることが大切です。
しかし、実際に院長からセクハラやパワハラを受けているような感覚があり、環境を良くしようと取り組んでみても周りから疎外されていると感じ、精神的にもきついのであれば、今後の身の振り方を考えても良いと思います。