ひよっこさん (女性) からのお悩み
4月から新人ナースとして大学病院に勤め始めました。
私たちの大学病院では、パートナーシップで動いているのですが、最初から受け持ちを10人以上も持たされ、パートナーとして動いていました。
パートナープラスフォローはもちろんついていたのですが、最初から業務に携わっており、流れについていかなければならず、ついていくのに必死で何が何だか本当にわかりませんでした。
時間内に終わらせないといけないため、かなりバタバタしており、本当に意味もわからず動いていました。そして、パートナーについて行かないとドンドン怒られます。
そんな中、4月の途中から夜勤も始まり、受け持ちの患者10人以上の情報を時間内に取れず、「患者を把握できていない」「もうそろそろ受け持ち患者のことは把握しときなさい」とまで言われました。
初めての夜勤も1人としてカウントされていました。カルテの扱い方も教えてもらっていない中、情報を取るのも必死でした。
徐々に受け持ちを増やしていくことや、まずは病棟の流れを知る期間を1日でもいいので設けてもらってからということなら分かりますが、あまりにも最初からいきなり突きつけられた感じがして、本当に余裕がなく息が詰まりそうで、辞めたくてたまらなくなりました。
専門的な分野の看護でやったことがないことを、4月の最初から「そんなレベルかぁ」と呆れられ、圧力かけられ、何度も怒られました。
そのため、できない自分がおかしいのかとすごく悩みました。
5月には抗癌剤を扱い始めており、これも説明が十分にないまま扱い、とても怖いです。
その都度聞くようにしてますが、忙しすぎるうえに先輩方も、もうわかるだろう的な感じで聞くのにもためらってしまいとても怖いです。
こういうのは働く上で仕方のないことなのでしょうか。
しかし、本当に流れについていくだけで意味もわからず、今自分が何をしてるのかもわからなくてミスをしそうで怖いです。
もう少し流れを知った上で動きたいのが本音です。
毎日、苦痛でたまりません。これは、新人の乗り越えるべき壁なのでしょうか?
椿(ツバキ)からの回答
自分で調べられることは事前に調べて、現場で聞く姿勢が大事
ひよっこさん、こんにちは。椿です。
お返事が遅れまして申し訳ありません。
ひよっこさんは、4月から新人ナースとして大学病院で勤められたのですね。
慣れない業務の中で、必死でやっているけれど、ついていくのが精いっぱいで消化しきれていない。丁寧に教えてもらえず、人格を否定されるような扱いを受ける。業務の流れを把握することができず、大きなミスをしてしまいそうで、不安とのことですね。
ひよっこさんが、何とか耐えて仕事を続けていることを前提に、お話しさせていただきますね。少し毒舌気味になることをお許しください。
悩んだときは、発想の転換が必要なとき
「新人なら乗り越えるべき壁なのでしょうか?」とのことですが、ほかの新人ナースたちはどうでしょうか?ほかの新人ナースもひよっこさんと同じ扱いならば、その職場の新人はそのような扱いを受ける、ということなのでしょう。
大学病院に限らず、看護師は人手不足で、患者さんは多いので、ひよっこさんが感じたように、時間内に終わらせないといけないために、バタバタしているのが現状です。
さらに大学病院であれば、患者さんは「他では治療できない人」もいるでしょうから、看護の幅って非常に広くなり、忙しいのも当然なのかもしれません。
「できない自分がおかしいのかと悩んだ」とのことですが、初めてのことは、出来なくても当然だと思います。
ただ、そこで立ち止まらずにこれからどう仕事と向き合っていくかという、発想の転換が必要ではないでしょうか。
厳しい言い方になりますが、新人でも患者さんにとってはプロの看護師です。お給料をもらっていますよね。ですから、「できない自分がおかしいことを悩むの」ことで止めるのではなく、出来なかった部分をどうやって出来るようにしていくかを考えることが大事です。
受け身の姿勢を見直そう
先輩ナースからどれくらいの圧力をかけられたのかはわかりませんが、看護師の仕事は命に直結することも多いですし、もしかしたら「やさしく教えてもらって当然」という考えが、ひよっこさんの中にあったとしたら、それは考えが甘かったということではないでしょうか?
まぁ、初めての夜勤を1人としてカウントするという、その病院の体質は有り得ない!と思いますけどね。仮にも、大学病院なのですよね???
それから、抗癌剤の扱い方など、「もう分かるだろう的な感じ」の先輩方の態度は、詳しくは書かれていないのでアドバイスをしかねますが、忙しすぎると分かっているのなら、勤務時間内に聞いたことは最低限にできるよう、自分で調べられることは徹底的に調べましょう。
分からないことは自宅で調べてくるなど、工夫が必要かと思います。その努力はしていますか?
新人看護師の勉強量って、学生の頃よりもずっと多くなって当然です。その心構えが、ひよっこさんに有ったのかどうか、ここが一番の問題かもしれません。
しかしながら、聞くことをためらってしまうような関係はよくないですね。椿も新人の頃は、「こんなこと聞いたら笑われるかも?」と思い、聞くことをためらうこともありましたが、それで患者さんに悪影響を与えるなら、本末転倒ですよね。
まして、このままだとミスをしてしまうかもと悩んでいるのなら、受け身の姿勢では現状は変わらないかもしれません。
椿からのアドバイス
椿としては、辞めないでもう少し頑張って続けてほしいです。
ひよっこさんにかぎらず、新人ナースはみんな毎年悩んでいます。新人で「職場が楽しくてしかたがありません」という話はあまり聞いたことがないですね。そんな中で、先輩ナースはどうやって乗り越えてきたのか、情報収集をしてみるのも一つの続ける知恵かもしれません。
せっかく苦労して、看護師の資格を取って看護師になれたのだから、どうせ辞めるのなら、看護師の楽しさややりがいを知ってから辞めてほしいなあと思います。
まさに、この壁を乗り越えれば、ひよっこさんの目指していた看護師像に近づくのかもしれませんね。
辛いと思う時こそセルフケアを忘れずに
とはいえ、やはり看護師の仕事は、他の職業に比べて大変だと思います。ですから、続けていくためにはそれなりにモチベーションを維持することも必要です。
もし、同じ大学病院に新人ナースがいたら、積極的に交流してみませんか?
いなければ、看護学校の同期でもいいですし、ネットの掲示板でもいいと思います。自分の中に溜まった心の内を吐き出せる場所があるといいですね。そうやって言葉にして語ることで、客観的に自分を見ることもできますし、気づくこともありますよ。
また、積極的に頑張っている自分にご褒美をあげてください。新人ナースは、なかなか仕事で褒められる機会はないので、自分に自信を無くしてしまいがちです。
そんなとき、自分が楽しんでできる趣味があったり、気の合う仲間と集まったりすることで、本来の自分を取り戻すことができます。ですから、自分のモチベーションを仕事の中で上げられない場合は、セルフケアを忘れずに!
まとめ
ひよっこさんもお気づきとは思いますが、看護師は働きながらも日々勉強が必要な職業です。
「ついていくのに必死で何か何だかわからない」のは、看護師に限らず、どんな仕事でもそうですよね。だからこそ、忙しさに流されてしまっては、もったいないんです。
日々の仕事に忙殺される中で、看護師になった目的を忘れがちになるかもしれませんが、そこの部分を思い出して、とりあえず1年頑張ってほしいと思います。そして、1年頑張れたら2年。2年頑張れたら3年続けてほしいです。
これは椿の持論ですが、どんな仕事でも本当に一人前になるのは、3年以上勤めあげてから。まさに、石の上にも三年ですが、日々の出来事が点から線としてつながり、意識しなくてもできるようになるにはそれくらい必要だからです。
ただし、現在の環境がどうしても合わないという場合は、他の病院で心機一転頑張ることも逃げることではありませんので、ご一考してもいいと思います。