いのししさん (?) からのお悩み
こんにちは。
椿さんのご回答やお言葉を拝見し、毎回温かい気持ちになります。
今まで私の相談なんて・・・と思っていましたが、椿さんならと思い投稿いたしました。
私は、看護学校を卒業したばかりの看護師1年目です。
実は、看護学校卒業前に警察がかかわるような事件(学校や家族に関することではありません)に遭遇しました。
警察の方やその件を知った方々には、「あなたのせいではない、ムリせずに元気になって」とたくさん励まされましたが、気持ちが沈み、気分が晴れない日々を過ごしていました。
それでもなんとか、無事に国家試験に合格し、学校も卒業することができました。
卒業後は地元の急性期の総合病院に入りました。
そこはとても忙しい毎日であることに加え、やる気に満ち溢れた同期、仕事を熱心に教えようとしてくれる先輩方に囲まれ、私は気持ちがとてもついていけず2か月で辞めてしまいました。
その後、少しでもゆとりを持って看護師の仕事ができればと思い老健に入所。残業もなく、少しずつ看護技術を教えてもらいながら働いています。
ですが、周りのスタッフの方から時々「若いのに老健に来るなんてもったいない、病院でもまれなくちゃ」などと言われます。
私のことを思っての言葉だとわかってはいますが、正直ツライ気持ちになり、また辞めたいと思う時があります。
「事件前のように元気な気持ちで大きな病院などでバリバリ働けたら」と私だって思いますが、今、それはできないと感じています。
患者様のためにも自分のためにも看護師を辞めたほうがよいのか、看護師で今より働きやすい職場はないだろうかと考えてしまいます。
最近では、事件のことを口実に諦め癖がついているのではないか、甘えているのではないかと思うときもあり、もうどうしたらいいのかわかりません。
こんな私でも看護師として働ける場があるのか、それとも看護師を退いたほうがよいのか、少しでも前向きにやっていけないだろうかと思い悩む日々です。
何かアドバイスがありましたらよろしくお願いします。
椿(ツバキ)からの回答
まずはココロの休養を、それから理想の看護をイメージしよう
いのししさん。
こんにちは椿です。回答が遅くなってしまい、大変申し訳ありません。
いのししさんは、今年卒業したばかりで1年目の看護師ということですが、お元気に過ごされておりますか?
まずはお悩みの整理から
いのししさんは、看護学生時代に何かしら警察に関わる事件に巻き込まれたけれど、加害者(言い方は悪いですが、ごめんなさい)ではなかった、なおかつ、今はすでに解決済みということでよろしいでしょうか。
その後、看護学校を卒業し、新人として急性期に入職。しかし、周りのスピード感や意気込みについていけず辞めてしまった。ここまでは合っていますか?
次の職場が「老健」なのかはわかりませんが、それまでの職場よりは、ゆっくりとした時間が流れているように見えたのでしょうね。
たしかに周りの同僚が言うように、卒業後1年目で老健は椿個人としても「もったいない」気はします。
もっと違う働き方は、いくらでもありますし、最初の配属先が「救急外来」等の時間の流れが早い部署でなかったならば、異動するという方法もあったのかなと思います。
とはいえ、これについてはいのししさんがご自身で判断されたことですし、すでに「老健」で働いていらっしゃるなら、周りがなんと言おうと自分を大切にして、老健での仕事を続けてもいいと思いますよ。
もしかしたらPTSDになっていませんか
ただ気になるのが、いのししさんはもしかすると「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」になっていないか?ということ。
いのししさんとお会いしていないので詳しくはわかりませんが、本当なら思い出したくない過去から、いまだに抜け出せていないのではありませんか?
どのような事件・事故なのかは分かりませんが、恐らくそのことがきっかけで、いのししさんはココロに深い痛手を負っているような気がします。
もし、まだメンタル分野での受診やカウンセリングなどを受けたことが無いならば、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
人は誰でも、ツライことや悲しいことに遭遇しますが、それによる「痛み」の感じ方は人それぞれですし、そこから復活するにはどれくらいの時間がかかるか、そもそも復活できるのかなど、これもまた人によって異なります。
しかしあまりにもそのショックから抜け出せていないのであれば、専門家の力を借りてきちんとした治療やカウンセリングを受けるべきだと思います。
相談内容からいのししさんが今まさに、PTSDの状態にあるのではないかと、椿は感じました。
いかがですか?
アドバイスは2つ(1→2と順番にクリアしてね)
1)まずは、自分のココロを回復させること
先にも書いたように、まずは自分のココロを回復させること、これが無ければ看護師として仕事をしていくことは、多分ムリが生じると思います。
老健で周りからいろいろ言われるかもしれませんが、大切なのは「いのししさん自身のココロの回復」です。周りの声は、単なる「外野の野次」と思って、さらっと聞き流せるようになるとよいですね。
ただ椿としては、いのししさんには一度仕事を休職するか、すっぱりと辞めるかして休養してほしいと思います。
椿自身も、昔はそれなりに「ツライこと」もありましたが、まぁ何とか生きています。
でもいのししさんとは比べ物にならないほど小さなことかもしれませんが、一度だけココロを病みそうになったことがありました。
そこからどうやって抜け出したのか。それはずばり「休養」です。
本当に何もしない(家事や育児も必要最低限しかしない)日を2週間くらいすごしました。そこから徐々に元気になって、復活したという経験があります。
いのししさんの場合、前職から今の職までの間、どれくらい休めたかわかりませんが、その事件後に卒業+国家試験、すぐに新卒で入職、休む間もなくめまぐるしい日々がスタート、この流れで来たならば、おそらく「頭もココロも空っぽにする休日」って、無かったのではないですか?
やっぱり人間は気力や体力がなくなったときは、一度何もかもを忘れて、頭もココロも空っぽにして休む事が、必要だと思うのです。
今のいのししさんにも、必要なことではないでしょうか。
2)自分がやりたい看護に向けて
PTSD(だと仮定していますが)を克服してから、あらためて「自分がやりたい看護」をイメージしてみてはどうでしょうか?
椿はいつも言っていることですが、「看護師になることを目標とするのではなく、看護師としてどのような仕事をしたいか」をイメージできなければ、就職先を決めるのは難しいと思っています。
それができれば、「老健で働く自分」がイメージ通りなのかどうかがわかるはずです。
もし、イメージが違うなら、「自分のやりたい看護」ができるところを、再び探せばよいと思います。
もちろんそうなると「次の転職が…」と不安になるかもしれません。
でもね、いのししさんの人生は、まだまだ長いです。
転職希望の相手に、事件のことを知られてしまうのは本意ではないと思いますが、ツライことがありましたがカウンセリングを受けたら復活しました!これから一生懸命がんばります!というのが通じるところは、きっとあると思いますよ。
おわりに
今のままの自分に満足していないなら、過去の「事件に遭遇する前の自分」を取り戻してから、新たな道を進んでほしいです。
そのためには、ココロの回復を第一に考えてください。
それが、いのししさんがこの先、看護師として社会人として歩んで行けるかどうかにかかってくると思います。
いのししさんの今後に期待しています。