たかさん (女性) からのお悩み
はじめまして。
五年一貫の看護学校に通っているものです。
私は今17歳(もうすぐ18歳)で、看護学生3年目になります。
高校を卒業した後、そのまま付属の専攻科に上がる予定でしたが、先月の末に鬱病と診断され、進学するか悩んでいます。
看護師が自分には向いていないのではないか、私は本当に看護師になりたいのか、と
2年生の時から、授業中に突然涙が出てきたり、情緒不安定な時期が続いていました。
しかし家の経済的に、続けるべきだと考えているのですが、この状態であと2年間やっていける自信がありません。
私自身がどうしたいか分からなくなりました。
気持ちを強く持つ方法、解決法などご助言して頂けたらと思います。
よろしくお願い致します。
椿(ツバキ)からの回答
自分の可能性を自分でつぶさないで
お悩みの相談に対して返事が遅くなり、申し訳ありません。
だいぶ日が経ってしまったので、今現在で進路は決まっているかもしれません。
ですので、今後の参考程度に、椿の回答を聞いていただければと思います。
1)向いていないかどうかを決めるにはまだ早い?
看護師になりたいのか、なりたくないのか自問するのはよいことだと思います。
しかし、本当に看護師に向いているかどうかを決めるのは、現時点ではまだ早いのではないかなと思います。
たとえば、専攻科に上がって実習が本格的に始まり、自分の中で「なんか違うな?」という違和感が出てきた時に、改めて「看護師に向いているのかどうか」を、じっくりと考えても遅くないのではないでしょうか。
今現在はまだ学生さんとのこと。
まだ看護の世界に片足を踏み込んだとも言いきれない状況の中で、看護師に向いているかどうかを判断しなくても良いのではないか、と思います。
実際、看護師になった後でも「私って、この仕事に向いているのかどうかわからない」と言いながら働いている大人(看護師の有資格者)もたくさんいます。
ですから、まずは資格取得に向けてしっかり勉強すること、そして実際に働き始めてから考えても遅くはない、という考え方があります。
2)どうしてもやっていける自信がないのであれば、いったん距離を置いて考える事も必要
とはいえ、現在(お悩みを頂いた時点)のたかさんのメンタルを考慮すると、そうとばかりは言っていられないかもしれません。
ここからは逆の考え方を提示します。
一昔前の女性の待遇と異なり、現在の女性は結構高収入です。家の経済的な事情を加味したとしても、看護師でなくても好待遇で働ける職種はたくさんあります。
たとえば、介護福祉士は現在、国の人手不足解消に向けた処遇改善施策により、以前よりは好待遇になってきています。他にも、国家資格の職業や、その時代の波に乗った仕事であれば、好待遇が期待できます。
また、働きながら資格を取得でき、給料アップにつなげられる職業は、看護師以外でもたくさんあります。
逆に、一度社会人(会社員)を経験した後でも、看護師になるために専門学校に入ることはできます。実際、少子高齢化が進むと、学校側の定員割れという事態もありえますから、比較的入学しやすくなるかもしれません。
現在のたかさんのメンタル状況では、あと2年学校に通い実習を受けて、さらに国家試験を受けて……というのは辛くなるかもしれません。
「あと2年しかない」と考えるのか、「あと2年もある」と考えるのか。たかさんは後者なのではないですか?
このままですと、どこかで状態が悪くなってしまい、結果として看護師資格取得に至らず……ということも無きにしもあらずかと思います。
たかさんが本気でそう思うのなら、一度「看護」という世界から離れてみるのも良いかもしれません。
椿の同僚にも看護学生時代に「うつ」だった人、あるいは新人の頃に「うつ」になったという人がいます。でも彼女たちはしっかりと治療をして、現在はいきいきと働いています。
椿の周り以外でも、そういう人はたくさんいます。
たかさんの場合も、まずは一旦休養を取って、本当に自分が進みたい道を探すことも、ありかなと思います。
3)椿のアドバイスは2つ
1つ目は、一度看護の勉強から離れて、自分を見つめ直してはどうか
まずは一旦休学してゆっくりと休み、休養を取ってみてはいかがでしょうか。
今のメンタル状況のままでは、恐らく悪い方へと考えが行ってしまい、良い答えが出ないかもしれません。
今、たかさんの中で下した決断は、メンタル状況が改善したときに後悔につながる可能性だってあります。メンタルの状況が改善し、落ち着いて客観的に考えられるようになった時点で、看護学生を続けるかどうかを考えればよいでしょう。
2つ目は、いっそのこと看護師の道を捨てて、他の道を選ぶ
今の時代は、看護師でなくても女性の働ける職はたくさんあります。看護師にこだわらなくてもよいと思いますよ。
もちろん、学校に通わせて下さっている親御さんを説得するのは、とても大きなエネルギーを必要とします。
もしかすると、さらなる学費の援助は、期待できないかもしれません。
それでも他のことがしたい!別のことを学びたい!という気持ちが強いなら、こうした進み方もあると思います。
ただしこの場合は「看護師が嫌だからやめる」のではなく、「もっと他のことを学びたいからやめる」という、ポジティブな考え方がたかさんの中でできれば、です。
ちょっと辛いことがあればすぐに逃げ出してしまう、「逃げ癖」が付いた大人にはなりたくないですよね。
まとめ
現時点では看護師に向いているかどうかと思い詰めず、一度休養をとってみてもいいのではと思います。
たかさんは、まだまだ可能性や選択肢がたくさんある年齢です。
自分の将来の選択肢を、自分でつぶさないでほしいなと、椿は思います。