看護師が抱える人間関係の悩みそれは上司や同僚などだけではありません。
今回は、看護師が医療サービスの提供する相手、患者さんとの間で受けるストレスについてのお話をしたいと思います。
アナタは、患者からのストレスと聞いて、何を思い浮かべますか?
多くの看護師の方は以下のは2パターンの姿が浮かぶと思います。
セクハラ患者さん
1つはセクハラ患者さん。
どうも白衣というのは男性のスケベ心を刺激するらしく、昔からお尻を触る患者さんというのは居ましたね。
白衣もスカートばかりでは無くなってきたし、男性看護師も増えてきたからか、最近はコチラの方があまり問題にはならないかもしれません。
モンスターペイシェント
もう1つはここ数年で急増しているといわれるモンスター・ペイシェント。
- 診療内容が気に入らない(←大した病状でもないのに専門医を呼べ!とかいう)
- 自分が後回しにされた(←言いがかりだったりする)
- 救急車をタクシー代わりに使う(←ホントは歩いて日中に来れる)
という患者さんはいましたが、ここ数年、かなり増えてきているようです。
中には誠意を見せろ!(←直接金というと脅迫になる)
とかスゴむ患者さんや家族も居たりして、そういう患者さんに当たると、凄いストレスになりますよね。こっちが慰謝料請求したくなることもあります。
医療サービスは保険診療の範囲であれば、患者さんが金持ちだろうとどんな権力者だろうと、サービスを受ける度合は重症度に関係するはず。そのサービスを享受する権利は皆平等であることを、間違えている人の多いこと。あるいは医療者とのコミュニケーション不足で勝手に腹をたてている場合もあります。
実際の現場での実例をあげてみます。
外来編
- 予約した診療時間より待たされた(医療費を払わないケースも…)
- 診断が終わったのに、更なる精密検査を要求
- 空いているからと、夜間で受診にくる
- 夜間に専門医を要求し、診察を要望
…etc
病棟編
- 過剰なナースコール(話し相手が欲しい等)
- 暴言・暴力・性的ないやがらせ
- 治療が終了しているのに退院拒否
- 入院患者がホテル並みのサービスを要求
…etc
どのように対応するべきか
あくまで冷静な対応を
入院中はストレスがたまりやすく、不安定になる方が多いので、話し相手が欲しかったり、イライラしてしまう気持ちはわかります。
この様な行動は疾患等による責任能力が無い場合もありますし、患者のSOSだったりすることがありますので、一概に判断しづらい問題ですが、中には度が過ぎているケースもあり、医療従事者が、怪我の危険もあり、精神的にもかなりの負担になってしまいます。
例外もありますが、クレーム対処の基本としては、相手の話に共感しながら良く聞く事。途中で話を遮ったり否定的になると、更なる大クレームを生んで、後に倍以上の時間を要してしまう可能性があります。
話を聞き終えた上で、正論を伝える事が大切です。難しい事ですが、この様な場合、あくまで冷静な対応が必要です。
抱え込まずに相談しましょう
患者の行動が本当に重要なサインの場合もありますが、この様な方の対応に時間をとられ、他の患者が重症化してしまうかもしれません。他の業務に支障がでる、自身の身の危険を感じる…という場合は、すぐに先輩や上司に相談することが大切です。
また、暴言・暴力・セクハラがある場合は、その患者に対して、なるべく1人での対応をしない方がいいでしょう。複数名、もしくは男性看護師等に受け持ちを変わってもらうのも1つの方法です。
患者とのトラブルについては、病院全体での対策が必要と言えます。
無理な要求をされた場合の対応範囲の線引きなども、意識合わせが大切です。