匿名さん (女性) からのお悩み
私は今年度から看護師として働いている新人看護師です。まだ3カ月ですが、もうすでに辞めたいと思っています。
そもそも看護に対して興味はなかったのですが、大学在学中(医療関連ではないです)に就職氷河期であり、就職に困って、親の勧めで「今は資格とか何もないから就職活動大変だけど、資格だけでも取っておけば将来安泰だよ」と言われ、確かにそうだなと感じて看護学校に進み、看護学校在学中も辛くて辞めたいと何度も思いながらも看護師の免許だけは無事に取ることができました。
大学と専門学校時代の奨学金を返還しなければいけないからとお給料のいい看護師の道に進みましたが、ふとしたときに「借金返済のためとはいえ、この仕事を一生続けていきたいと思えないし、1ヶ月後、1年後の看護師として働けている姿が想像できない」と感じるようになりました。
今のところを辞めてクリニックや外来、一般企業でのCRCなど様々な道はあると思いますが、現在就業中の病院は公務員のため、親や祖父が「公務員だから共済組合だし、将来安心だ」と喜んでいます。今まで迷惑をかけてきた親の期待を裏切りたくないという思いと、看護師という仕事自体に何の興味も見いだせないから辞めたいという思いの板挟みになっています。どうしたらいいのかよくわからなくて、毎日つらいです。どうしたらいいでしょうか。
椿(ツバキ)からの回答
まず患者さんの立場に立ってみましょう。その上で、どう生きるかは自分の意思で決めてみては。
匿名さんへ
はじめまして。椿です。お待たせして申し訳ありません。
匿名さんのお悩み拝見しましたが、今回はちょっと辛辣になってしまうかもしれません。(気分を悪くされたら申し訳ありません)
”看護”という職業への興味は重要
まず、匿名さんの場合そもそも看護という職業に何の興味もないというところが一番問題なのかなと思います。
新人として就職後3ヶ月であれば、看護技術の習得だったり(習得すべき技術量は、学生の頃とは断然違いますよね)患者さんとの接し方だったり、看護師として今後働いていく上で必要なことを、かなりの勢いで叩き込まれる時期だと思います。
もし看護という職業に何の興味もないと本気で考えているのであれば、毎日の勤務時間が苦痛で堪らないのではないでしょうか。
しかし、患者さんからみれば制服を着ていれば、新人であるが故に多少の甘えが許されたとしても、看護師は看護師なんです。そこに匿名さんの看護に対する気持ちは加味されません。
例えば匿名さんが体調を崩して受診した際に、医師という職業に何の興味もない医師の診察を受けたらどうでしょう?
今の匿名さんは、こういう状況にあるのだと思います。そういう気持ちのまま看護師としての仕事を続けていれば、いつか必ず患者さんにも伝わると思います。
安全・安楽は看護の基本
それからもう1つ、いずれ医療事故に繋がらないかな?という心配もあります。
看護師の仕事はほんの小さな油断でも大きな事故に繋がる可能性を秘めている上、全ての業務が必ずしもマニュアル通りにはいきません。
キレイごとをいえば「患者さんの立場に立った看護」が重要とされ、その中でできる限り最大限の注意を払って仕事をするのが看護師です。
ですが仕事に対する興味そのものがなかったら、いわゆるリスク管理も「義務」として捉えるようになり、マニュアルに書かれていないことに考えを至らせることが難しくなってきませんか?
看護師だって人間ですから、一生ノーミスということはなく、むしろ一歩手前で気づくことが非常に多いのです。老婆心ながら、そういう場面に出くわした時が怖いかなぁ?と思ってしまいます。
確かに現在の勤務先が公務員なのであれば、ご両親などからみれば安泰な職業に見えるでしょう。
でも、そこにこだわるのなら看護師ではない公務員でも良いのではないでしょうか。
逆に、クリニックや外来の場合、本当に短い時間で患者さんとコミュニケーションを取りながら、病状だけではなく、家族背景なども含めて理解し、適切な治療が受けられるように援助することが必要です。
CRCなどもありますが、こちらも短時間で患者さんとしっかりとしたコミュニケーションが取れる能力が求められます。いずれにしても患者さんの立場に立って物事を考えることが一番の基本になります。
椿からのアドバイス
ということで、私が匿名さんに対して出来そうなアドバイスは3択です。
1.親や祖父の期待に添うよう、公務員の仕事を探す
この場合、医療機関勤務でなくても良いと思います。例えば、もう少し頑張って大学の専門課程へ進み、保健師を取得すれば公務員の道もあります。
2.親や祖父の期待はこの際諦めて、自分のやりたいと思える仕事を探す
現在、奨学金の返済等をされているそうですので、何らかの形で収入を得るのは必要なのだと思います。
大学卒でもあるのですから、もう一度自分が本当に進みたい道を目指してみては。
3.多少の時間をかけてでも看護という職業と向き合ってみる
例えば3年くらいの期限を決め、看護という職業の良いところを探してみる。
それでもやっぱり一生は続けていけないと思ったら、その時に全く違う道を選択してください。
但し、看護という職業への興味がないことはこの間だけは封印してくださいね。
動機はともあれ、せっかく看護師の資格を取得し勤務しているのですから、私個人としては3.を選択して頂きたいと考えます。
私自身もかなり遠回りをしましたが、やっぱりこの仕事が好きだと感じ、今に至っています。長い人生、何でも自分の思い通りになるわけではありません。でもその中でどう生きるかは、自分の意志で決めるべきなのだと思いますよ。