イギリスの看護師は毎年登録を更新しなければならないそうです。日本にはないこの更新制度とはどういったものなのでしょうか?イギリスと日本の看護師の違いをみてみましょう。
イギリスと日本の看護師の違い
看護師登録までの長い道のり
日本では国家試験に合格することで登録看護師としての免許を得ることができますが、イギリスでは違うそうです。国家試験の代わりに、最低3年の看護教育を受けることになります。知識を問う定期的な試験や実習でのペーパーワーク等の教育です。この教育期間は大変厳しい様で、期間中にドロップアウトしてしまうことも珍しくないと聞きます。
最終実習は3ヶ月にも及び、この時点で登録看護師(Registered Nurse)のレベルに達していなければここで落とされてしまうこともあるそうです。最後の実習を乗り切り、卒業論文 が通ってようやくNursing and Midwifery Council(NMC)で登録をし、免許をもらうことができます。イギリスでは、一回の試験で判断されるのではなく、3年にも及ぶ長い期間の積み重ねによる実績が重要だとみなされている様です。
厳しく求められる知識と技術
日本では国家試験を経て看護師になることができればずっと看護師でいられますが、イギリスの看護師は毎年登録費を支払い、登録を更新していかなければなりません。登録なしでの労働は違法となってしまいます。更新時には、臨床で働いている実績を証明することが定められていて、更新の条件として最新の知識・技術を身につけていることが問われるのです。また、子育て等なんらかの事情で離職した場合も再就職は容易ではありません。
12週間ものReturn to practiceという現地実習を経てメンターにOKをもらい、ようやくNMCへ再登録を申請することができるのです。このように現場での現在形の実践が重要視されているので、登録を受けた看護師は非常に高い知識・技術を身につけています。日本の看護師の場合、一人前になるには現場に出てから一年以上を必要とするでしょう。
イギリス看護師の待遇
イギリス看護師の労働環境はというと、日本の様にボーナスが存在せず、給与面では必ずしも、厳しくスキルを求められてる割に十分なものとはいえないようです。
休暇については、病欠しても減給しない有給の病気休暇、Sick Leaveがあり、有給休暇であるpaid leave もイギリスの国民保健サービス NHS (National Health Service)の場合、年に7週間もあるといいますから悪くない待遇といえそうです。そして、イギリスの看護師も医師と対等に意見を交わし積極的に医療に関わっている様です。看護師の権利について先進的な国ならではですね。