学校を出たての新人看護師は、国家試験に合格するとやっと看護師になった!
と自信がつきますよね。
でも、学校で習った勉強は、あくまで超基本的な知識でしかないのが現実。
看護技術だって実習で色々やってきたような気がしていても、それはじっくりと時間をかけて、予習・復習が(やる気になれば)しっかりできる、あくまで勉強のためのもの。
看護師として仕事を始めたら、そんな余裕はありません。
今回のテーマは、特に新人看護師やブランクのある看護師が抱える悩みでもある医療知識不足によるストレスのお話です。
まずは、椿の新人看護師時代のエピソード
私が新人看護師としてスタートした時、手術室に配属されました。学校で習った知識でホントに役に立ったのは、解剖くらいだったような気がします。もちろん学生の頃の実習で手術室も回りましたけどね。
でも病棟が2週間ごとに変わるのに対し、手術室は1週間(つまり5日間)だったので、はるか遠くから術野をのぞくとか、手洗いして清潔野の隅っこで眺めてるとか、そんな程度だったので、知識不足をヒシヒシと感じました。
新人だからこんなに苦労するのか!と思いましたが、実際に病棟から異動してきた人も「病棟での知識と技術がなーんの役にも立たない」と言っていたので、やっぱりちょっと特殊な勤務先なんでしょう。
仕事を始めてからものスゴク勉強しました。(と思いたい)
椿のブランクからの復職時のエピソード
新人のときにも苦労したのですが、 実は私、結構なブランクがあって復職したんですね。
そして復職後も手術室に配属されて…その時も、もの凄く大変でした。
何せ医療現場を離れて10年近く、過去の知識はなーんの役にも立たない、ということも結構ありました。「へぇ、今時はそうなんだ…」という発見も多数・・・。
もちろん古い記憶を引っ張りだすことも結構あったんですが、忘れていることもかなり多かったので、自分の知識の無さに泣けてきました。
忘れていることもストレスなんですが、何せ新人の頃に比べたら脳の皺がはるかに減っているため、新しいことを覚えるのにも時間のかかること!
なかなか覚えられないということ自体が凄いストレスで、かなり精神的に参った…ということもありました。朝起きたくないとか、あまりにイライラして、旦那にはもちろん、子供にあたったりとか。
※ ブランクからの復職を考えている看護師さんには、看護師がブランクから復帰するために特に大切な5つのポイントが書かれているこちらの記事もオススメです。
知識不足ストレスへの対処方法
「もう仕事辞めようかな」とか、かなり悩みに悩んで、「これじゃあいかん!」と私がとった行動は次の2つの方法でした。
1.「その日にあったことを記録する」
- その日についた手術の術者、術式
- 準備した物品、途中で追加した物品
- 実際の手術の流れ
まず、全部書き出すことにしました。
例えば、術式については消化管のがんであれば、どの部分を摘出してどことどこをどう繋いだか、とかをイラスト付きで。
準備物品はマニュアル通りとはいえ、準備に不足が無かったか、マニュアル通りでは足りないものはなかったか、それからどんな場面に何の理由で使ったか、とか。
そうして毎日、その日にあったことを記録していきました。
2. 使えそうなものは、バインダーを利用して持ち歩く
それから明日の準備としてマニュアルを何度も読むとか、借り物の器械の説明書をコピーして製本して何度も読んだりとか。
子供が寝たあとの1時間、何とか時間をやりくりしました。
何度も使えそうなものは、小さくコピーしてA6サイズのバインダーに差し込み、仕事中にいつでも持って歩くようにしました。これはかなり役に立ちましたよ。
こうやって書きだしてみると、まるで学生みたいですよね。
結局のところ、知識の不足は勉強で補う、しかないんです。ただし、学生の頃とは勉強の仕方は全く違いますけどね。
おわりに
仕事を始めてしまうと中々まとまった時間を取るのは難しいかもしれません。
でも、寝る前のほんの数分だけでも今日あったことを振り返る、それだけでもアナタの知識は確実に増えていきます。
初めから上手くいかないのはある意味で当然。しかし看護師という仕事は新人だからわかりませんでは許されない仕事、その狭間でストレスが生まれる気持ちはよく分かります。
毎日の業務の中であなたのスキルは着実にアップしているはずです。そしてそのスキルは将来のキャリアアップや転職を考えるとき必ず役に立つ日が来ますよ!
新人さんは特に、知識不足の悩みだけでなく、例えば人間関係の悩みやキャリアアップに関する悩みなど本当にたくさん抱えられていると思います。
先輩看護師の皆さんがどんなことを悩んでどう解決してきたのか?「看護師が転職する際にありがちな悩みとその解消法」という記事で詳しくまとめていますので、興味がありましたら読んでいただけると嬉しいです。