看護師という仕事は、その名の通り『人を看る』お仕事。
人の体はいつ変化するかわかりません。仕事を終え、帰り際になっていきなり病状がかわるということもよくあります。そのような時、時間外勤務(残業)をすることになります。
また看護師の仕事を続けていく以上は、研修などに参加して新しい知識を付つけていくことも必要になります。その研修などはたいてい業務時間外に行われます。
これらは特に正職員に大きく当てはまる内容ですが、業務の一環であるとみなされることが少なくサービス残業となる傾向が高くあります。
看護師のサービス残業の実態
2009年、看護協会は月に平均して23.4時間の時間外勤務が行われていることを発表しました。
しかし、その中でも時間外勤務として申告されているものはわずか8.3時間に留まり、約4割がサービス残業になっていることが明らかになっています。
また、32人に1人の看護師は、月に60時間以上の時間外勤務をしていることもわかりました。月60時間以上の時間外勤務は、過労死の危険が指摘されています。
看護師アルバイトの残業は?
アルバイトのメリットは「気楽にできる」「条件が選べる」等があります。
最近は、看護師アルバイトを探す際、「残業なし」とアピールされている求人も多くあり、なるべく残業をしなくて済むような求人を探すこともできるようになりました。
また、アルバイトやパートで仕事をしている人に定時で勤務を終えさせてくれるところも多いようです。しかし、看護師という仕事上、残業をしないということは不可能になり「残業なし」というところでも、2~3時間の残業を頼まれることもあるようです。
アルバイトであっても、患者に迷惑をかけてしまうことにならいように、時には残業を引き受ければならないこともあります。
時給で計算する場合、超過勤務手当は日中(深夜以外:午前5:00~午後10:00)は2割5分増し、深夜(午後10:00~午前5:00)は5割増しと決まっています。
時給制のアルバイトはこの計算も含めた上で、月々のお給料をもらう義務があるのですが、30分未満、1時間未満は切り捨てられてしまったりして、うやむやになってしまうこともあるようです。
超過勤務手当を申告する際は理由も一緒に申告します。
しかし、その内容によっては残業と認められず、サービス残業になってしまうケースもあります。
サービス残業トラブルの例
ある訪問入浴サービスの看護師(正看護師)はこんなパターンがありました。
1日14,500円の日給で固定。その中に残業手当まで含まれています。
勤務時間は8:30~17:30ですが、訪問先の都合によって早くなったり遅くなったりという変動があります。勤務時間が過ぎても、これ以上の額は支払われません。
休憩時間も指定されておらず、移動中が休憩時間に当たるということもあったようです。
トラブルを回避するためには
サービス残業をめぐるトラブルは正社員に多く見られますが、アルバイト看護師でもないとは言えません。このようなトラブルを回避するには、事前にしっかりと勤務内容などをチェックしておくことです。
やはり最終的に自分の身を守るのは自分です。
そのようなトラブルの起こりそうな職場は、あらかじめ回避するようにしなければなりません。
それでも就職してから分かったというケースが多いのも事実です。このような場合でも、もちろん解決できれば良いのですが、そう簡単には解決しない問題でもあるようです。