いまさら聞けない看護技術

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頸部良性腫瘍患者への対応

頸部良性腫瘍患者への対応【いまさら聞けない看護技術】

目的

  • 頸部良性腫瘍患者に適切な対応を行う

疾患の概要

  • 頸部は主に、唾液腺、甲状腺および筋肉、脂肪などの軟部組織、神経、脈管、骨組織などによって構成されており、頸部には各種腫瘍が発生する
  • 頸部には頻度は高くないものの、様々な種類の良性腫瘍が発生するため、中でも特に、悪性腫瘍による頸部リンパ節転移との鑑別診断を行うことが重要である
  • 頸部リンパ節転移をきたす疾患の場合、頭頸部領域が原発のものが多々あるため、内視鏡を用いて咽喉頭や鼻咽腔を精査し、悪性腫瘍の除外を行う
  • 耳介下部に軟らかい嚢胞性腫瘍が存在している場合、耳下腺のワルチン腫瘍が、また、頸部正中で舌骨下方に軟らかい腫瘤が見られる場合は、正中頸嚢胞が疑われる
  • 腫瘤形成は場合によって、周囲への圧迫症状を呈し、時には呼吸困難や咽喉頭異常感なども見られる
  • 良性腫瘍の場合は、一般的に発育速度が遅く、周囲への拡大性、圧排性といった発育様式を呈する
  • また、境界が明瞭で、可動性も良好であり、癒着が少ないものが多い
  • 良性腫瘍の場合、一般的に圧痛の症状はないが、甲状腺腫瘤で圧痛がある場合は、嚢胞内への急性出血か亜急性甲状腺炎のいずれかが考えられる
  • 悪性腫瘍の場合は、発育速度が早く、周りへ浸潤性に進展し、境界不明瞭な硬結あるいは硬い腫瘤を示すことが多く、悪性・良性の鑑別がしやすい
耳下腺順瘍があり、圧痛を伴うものは、悪性の可能性がある
  • 検査には様々なものがあり、CT、MRIX線検査、超音波検査、核医学検査、血管造影などが必要に応じて選択される
  • 確定診断としての病理組織検査は重要であり、その種類には穿刺吸引細胞診と切開による生検がある
  • 皮膚切開部の疲痕や腫瘍散布の危険性などの問題があるため、諸々の検査にて良性腫瘍が疑われた場合、細胞診を行うことで、悪性腫瘍を否定する必要がある
  • CTの場合、進展範囲と腫瘤、気管、喉頭、骨組織、頸動静脈および筋肉群との関係性とをみるのに適している以外にも、造影効果によって、ある程度の質的な診断が可能である
  • MRIの場合、軟部組織について、更に詳細な質的診断ができる
  • X線検査の場合、甲状腺腫瘍の石灰化の有無を調べることが可能であり、砂粒腫様石灰化が認められた場合は、乳頭癌が疑われる
  • 超音波検査の場合、良性腫瘍においては一般的に腫瘍の境界がはっきりとしている
  • 血液検査の場合、ホルモン異常を来たす疾患以外は基本的に正常値を示し、甲状腺腫瘍の場合、血中のTSH、T3、T4も正常を示すことが多い
  • 良性疾患に対しての手術は基本的に腫瘤のみの摘出で良いが、悪性疾患の場合は、周囲組織を含めた合併切除を行う必要性がある

治療

  • 基本的に摘出術を施行するが、良性疾患のため、周りの血管神経や血管を可能な限り損傷しないようにすることが必要である
  • 特に甲状腺疾患の場合は反回神経、唾液腺では顔面神経の保存が大切である

観察項目

  • 性別、年齢、経過
  • 腫瘤の発生部位、大きさ、性状、硬度、圧痛の有無
  • 皮膚や周囲組織との癒着、雑音・拍動の有無
  • 呼吸困難・咽喉頭異常感の有無
各腫瘍によって、発生する部位が異なっているので、発生部位の観察は重要である

アセスメント

甲状腺疾患:濾胞腺腫

    • 甲状腺濾胞上皮から生じた良性腫瘍で、嚥下にて上下運動が認められる
    • 軟らかく境界が明らかで、表面が滑らかな球形腫瘤が認められる
    • 超音波検査では、内部エコーが均一で境界明瞭な腫瘤を認める
    • CTでは内容が均一で境界鮮明な充実性腫瘤が見られる
    • 治療は部分切除術あるいは甲状腺片葉切除術を行うが、反回神経の保存を行い、術後の誤嚥および嗄声を防止する
    • 良性腫瘍の場合、甲状腺全摘出は行わず、正常組織を一部残しつつ、正常な副甲状腺機能および甲状腺を残存する

唾液腺疾患

  • 耳下腺腫瘍の多くは、粘液腺腫、間様組織、上皮性腺腫様組織などの混在を示す多形腺腫であるが、顔面神経麻痺や疼痛は基本的には認められない
  • 各種画像診断において、境界明瞭で辺縁整の腫瘤が耳下腺内に見られる
  • 良性腫瘍の場合、顔面神経を保存しながら、一部の正常組織を含める耳下腺浅葉切除術を施行する
  • 術後にフライ症候群(食事の際に耳周囲に汗をかくこと)がみられる場合がある

神経原性腫瘍

  • 神経鞘腫
    • 頸部においては、交感神経や迷走神経などの脳神経などから発生し、球状で表面が滑らかな無痛性の腫瘤を形成する
    • 周囲への圧迫症状はあるが、術前に神経症状を来すことは少ない
    • 術中の所見や術後の脱落神経症状によって、起源神経が判定される
  • 頸動脈球腫瘍
    • 頸動脈小体から発生し、頸動脈分岐部に明らかな拍動を示す腫瘤が見られる
    • MRIやCTにて、外頸動脈と内頸動脈の分岐部が拡大が認められ、血管造影検査にて腫瘤と合致した血管陰影の増強が見られる
  • 脈管原性腫瘍
    • リンパ管腫と血管腫があるが、嚢胞状リンパ管腫の場合はリンパ管の先天性形成異常である
    • 乳幼児の側頸部や顎下部に軟らかい腫瘤があり、気管、咽喉頭などを圧迫するために呼吸困難や嚥下障害を起こす危険性がある
  • 脂肪腫
    • 頸部皮下に弾性軟で境界明瞭に腫瘤が認められ、CT上、脂肪と同じ程度の低吸収域を示す腫瘤が認められる
  • 腫瘤形成性疾患:正中頸嚢胞
    • 胎生期に甲状舌管の閉鎖不全または遺残があるために発生し、頸部の正中部分に波動のある球状腫瘤が形成される
    • 特徴的な発生部位と症状により診断は可能だが、超音波検査やCTにて境界明瞭な嚢胞性病変が認められる

注意点

  • 術後は必ずしもベッド上安静は不要だが、陰圧ドレーンを使用することが多いため、出血量の確認とドレーンの管理が必要である
  • 術後性出血により血腫が形成されると咽喉頭浮腫が起こる可能性があるので注意する
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