頭痛の観察
頭痛の観察【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年6月10日
最終更新日:2013年6月10日
(変更日:2013年11月7日) ※
目的
- 頭痛の観察を的確に行うことで、異常の早期発見、適切な対処を行う
疾患の概要
- 頭痛は、機能性頭痛(頭蓋内における器質的病変がないもの)と症候性頭痛(頭蓋外疾患に起因するものと頭蓋内における器質的病変)に分類される
- 症候性頭痛の中には、早期対応を怠ると予後不良となる危険性があるものが含まれているため、的確に重症度や緊急度を判定することが重要である(脳出血、くも膜下出血、髄膜炎など)
- 通常の頭痛はバイタルサインに異常がないことが多いが、しばしば頭蓋内病変がある場合は血圧の高値が認められる
- 危険が疑われる頭痛
- これまでにない激しい頭痛(くも膜下出血)
- 徐々に痛みが増強し、1週間以上持続する頭痛(くも膜下出血、髄膜炎など)
- 起床時に起きる頭痛(頭蓋内圧亢進)
- 高熱(38.0℃~39.0℃)、意識障害、項部硬直、けいれんを伴っている頭痛(髄膜炎)
- 意識障害、麻痺、痺れ、嘔吐、めまいなどが頭痛と共に見られる(脳出血)
観察項目
- 頭痛の程度・種類
- バイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸、SpO2)
- 拍動性の有無
- 項部硬直の有無
- 意識状態
- 視力・視野障害の有無
- 失語・失行・失認の有無
方法
- 頭痛の程度や種類などを聴取し、バイタルサインの確認を行う
- 意識レベルを観察する(JCSやGCSによる意識レベルの評価)
- 外傷(変形・腫脹・打撲)の有無を確認する
- 失語、麻痺、感覚障害などの神経脱落症状の有無を確認 項部硬直、ケルニッヒ徴候など髄膜刺激症状の有無を確認する
- 除脳硬直・除皮質硬直の異常姿勢の有無を確認する
アセスメント
- 除脳硬直:橋や中脳に障害がある場合に見られ、重篤な状態を表している
- 除皮質硬直:内包や前頭葉に重症な障害がある場合に見られる
- どのような種類の頭痛かを判断する
- 一次性頭痛:緊張型頭痛、片頭痛など
- 二次性頭痛:頭頸部外傷や血管障害による頭痛など
看護のポイント
- 医師の指示に基づき、血圧の調節を行う
- 可能な限り、安静を保持する
- 不安や恐怖を抱かせないよう、患者に処置や検査について説明する
- 脳血管造影施行時の検査準備を行う
- 呼吸の管理を行う
- 体位管理(適度な体位変換、患者に適した体位の保持など)
- 痛みが強い場合は、疼痛緩和を施行する
- 過ごしやすい環境でいられるよう、環境整備をする
- 場合によって緊急手術の準備を速やかに行う
- 患者、家族への不安や緊張の緩和に努める
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